ハリセンボン王子とはこふぐ姫

使用素材 ハコフグ:K18イエローゴールド、K18ホワイトゴールド、サファイア0.318ct
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このジュエリーの素材と魅力

「ハリセンボン王子とハコフグ姫」のお目目には、直径3.15の美しいブルーサファイアを0.406ct使っています。

カボッションカットを選ぶことで、普通のダイヤモンドカットを使うよりずっと可愛い目になりました。

王子のk18ホワイトゴールドの体は、半球を2つ作って、真ん中でロー付しているのですが、これをあまり精密に付けてしまうと、中の空気が逃げられなくなり、爆発する危険があります。

ジュエリー制作って実は、危険と隣り合わせなのです。
あらかじめ、ヒレがくる部分にかるく隙間をあけて置くことで、王子は爆発を免れました。

ヒレには、手術用のメスを使って、「刀目」という細~い筋を、何十本もいれています。

こうすることでフグたちのヒレが、よりヒレらしく見えるからです。
王子の体中に刺さった……いえ、生えているトゲは、ドリルで下穴を開けてから、針状のホワイトゴールドを、一本一本ロウ付けして、先を丸く整えています。

そんな王子の体重は、9.839g。
王子も姫も、正面から見たおちょぼ口が最大のチャームポイントで、制作が一番難しかったところです。

ジュエリーに込められた物語

「愛してるよ」 「そんなこと、大きな声で言っちゃダメよ、誰かに聞かれたらどうするの?」 「だって、本当に愛してるんだもん」 彼は、ハリセンボン王国のプリンス。

この海で知らない魚はいないイケウオの上にとても頼もしいフグの中のフグ。
当然、彼に恋するフグも貝の数ほどたくさんいて、小国のブサイクなハコフグ姫など彼の相手になるはずがありません。

この海の魚たちは、皆そう考えていました。 でも……。

「ねえ、ここなら誰もいないからキスしようよ」
「明るいのにはずかしいわ」
「そのおちょぼ口を見ているとキスせずにはいられなくなる」
「あなたのおちょぼ口もとても素敵よ、それにそのブルーの瞳!」
「君の瞳だってとても綺麗なブルーじゃないか」
「あなたといると、自分がブサイクだってこと忘れそうよ」
「君がブサイクなんかであるものか!もう2度と自分のことブサイクなんて言っちゃダメだよ」

ハリセンボン王子は、立派なトゲトゲをさらに固くして怒りました。

だって、王子は知っているんです。
彼女が、網にヒレが絡まってしまったお年寄りを助けたことも、迷子になって泣いていた坊やのママを探してあげたことも。

彼女は、困っている魚を放っておけないとても優しいフグなんです。

「いいかい、君は僕の妃になるんだから、そんなこと言っちゃダメだ」
「え?!」
「結婚しよう。もうコソコソ会うのは嫌だ。僕の妃になってください」
「ええぇっ?!だって、えっと、わたしなんかブ……」

んんん。 ハリセンボン王子は、ハコフグ姫が、さっき禁じたばかりの言葉 を言ってしまわないように、自分のおちょぼ口でハコフグ姫のおちょぼ口を 優しくふさいでしまいました。