江戸の旅 ラストデー
この旅の目的の一つ・・私が子供の頃から家族ぐるみで仲良しだった東京のおじちゃんに会いに行くことでした。いつもお洒落で素敵なご夫婦だったんだけれど、昨年おばちゃんが突然難病(ヤコブ病)にかかりあっという間に旅立ってしまいました。昨年の夏、ちょうど日本橋三越でイベントをしていたので会いに行こうと何度も電話をしようとしたのに、なぜか出来ずそのままになっていました。後になって、その頃にはもうホスピスに入っていて話もできなかっただろうということでした。
嘘みたいにぱ〜っと旅だったおばさんが、私と母にドイツ製の鶴の形をしたハサミを残してくれました・・・ハサミが手元に届いて程なく、18日から上京し、初日におじさん宅を訪問する予定でしたが、大阪でやりとりしたけどその日はバタバタしてるからと断られちゃったのだな・・・けどおばさんが「様子を見てきてっ!会ってきて!」て言ってるんですけど〜!と心の中でつぶやく・・・
「何、カッコつけてんのよ!バカじゃない?、わかことランチ行けるの嬉しいくせに」っておばさんが話してる気がして・・・そっけない文字のやりとりで、ちょっと凹み気味だったけれど、しつこく、「23日はいる?」「いますけど」「ランチでもしよう」「ランチはあまり好きではありませんが・・・」「とにかく23日逢いにいくからね」と強引にやりとりを終わらせたあの日から散々江戸大冒険を楽しんだ後の、当日・・・・
朝から電話のショートメールでのやりとり・・・「何時にきますか?部屋わかりますか?」・・・やっぱりランチ行くの嫌なのかな・・・訪問されるの迷惑なんだろうか?・・・ちょっとだけ行ってお参りだけして帰ろうかな・・・・
グダグダ考えていることが嫌でもうええわっ!と、電話!してびっくり!「何時にくる?」「おじさん、ランチ嫌だったらいいよ。」「いや、近くにホテルがあるから、わかこならそこだろうと思って考えてたんだよ、お昼より早くてもいいよ」って
嘘や〜ん!あの冷たい感じの文字のやりとりはなんなの???と思うぐらい楽しみに待っていてくれました・・・おばさんが爆笑していた・・・「ほらカッコつけてんでしょ?!バカよね〜!」って・・・
カルティエ展にもう一度行くつもりだったけど、日曜日だと気づき、時間がなく目的地変更、東京ステーション美術館に行ってから向かいました・・・おじさんのうちから近くにあるホテルのレストランへ。イルミネーションがキラキラした中庭の見える窓越しに座って2時間以上お話ししました。時折こみ上げる涙をこらえながら・・・いや、情けないけど、こらえられなかったな・・・本当にドラマチックな生き方をしたおばさん・・・・喜んでくれてた・・・来年の1月中旬の作品展の話をしたらおじさんはとても喜んでくれて、「行くよ、銀座」と言ってくれました。
メインの面談、私の中での隠れメインの面談、個展の会場探し、おじさんに会うこと。アブダビ同窓会すること。楽しく過ごすこと。
全てのミッションを完了。それどころか、素晴らしい人たちと出会えたり、温かい言葉をいただいたり美味しいもの食べたり飲んだり、一緒に遊んでもらったり、人とのつながりを再確認したり、優しさに満たされた幸せな旅でした。
もしも当初の予定で7日に江戸での用事を決行していれば、この流れはできなかったですね・・
22にに変更してもらったからこそ、ギャラリー見学も予約できたし、杉山美術館にも伺えたし、いろんな人達のスケジュールや時間、場所、展開がピタッとパズルのようにハマる。ばっちぐ〜!な現実創造となるわけなのね・・・自分の勘を信じて心の声を聞いてよかった・・・・
ご縁をいただきました全ての皆様、本当にありがとうございました。
またすぐ伺いますが、どうぞよろしくお願いいたします。